
静かな住宅街に佇む上品なラーメン店
沖縄市泡瀬の住宅街にひっそりと佇む「中華そば いとの」。大通りから少し入った場所にあり、初めて訪れる方には少しわかりにくい立地ですが、その分、静かで落ち着いた空気に包まれています。木の温もりを感じる外観に、控えめな看板。店に一歩足を踏み入れると、明るく清潔感のあるカウンター席が並び、どこか和食店のような上品さが漂います。
店主は東京の有名ラーメン店で修行を積んだ経歴を持ち、沖縄の水質や気候に合わせて独自のスープと麺を開発したとのこと。県内では珍しい「淡麗系中華そば」を主軸に、上品で奥深い味を追求しています。

淡麗と濃厚、二つの表情をもつ中華そば
メニューは大きく分けて「淡麗中華そば(醤油・塩)」と「濃厚中華そば」。初来店では、その中でも人気の3種「特製淡麗中華そば(醤油・塩)」と「濃厚中華そば」を注文しました。

まずは「特製淡麗中華そば(醤油)」。透き通る琥珀色のスープは、鶏ガラと節系を中心に取られた優しい出汁。ひと口目から香ばしい醤油の香りが広がり、雑味のない上品な旨味が心地よく舌に残ります。油分は控えめながら、しっかりとコクがあり、最後まで飽きずに飲み干せる完成度です。

続いて「特製淡麗中華そば(塩)」。黄金色のスープは見た目にも美しく、口に含むと鶏と魚介の旨味がふんわりと広がります。塩の角が立たず、まろやかな塩味と香味油のバランスが絶妙。まさに“上品”という言葉がぴったりの味わいです。

一方の「濃厚中華そば」は、豚骨と魚介を絶妙にブレンドしたスープ。トロッとした粘度がありながら、重たさを感じさせないのが特徴です。中太の自家製麺はもっちりとして弾力があり、スープとの絡みが抜群。どの一杯も、店主の繊細な仕事が伝わってきます。
自家製麺と素材へのこだわり

麺は3種の国産小麦をブレンドし、スープに合わせて太さや加水率を調整。淡麗には細麺、濃厚にはやや太めの麺を使用し、それぞれの旨味を引き立てます。出汁には北海道産の昆布と数種の節を使用し、毎朝丁寧に仕込まれるスープは透明感と深みを両立。沖縄の軟水との相性も良く、飲み心地のやさしいスープに仕上がっています。
居心地の良い空間と丁寧な接客
カウンター席のみのコンパクトな店内ですが、静かで落ち着いた雰囲気が心地よい空間を作り出しています。BGMは控えめなジャズ。店主の柔らかな接客と、提供時の一言「お待たせしました」が印象的で、丁寧な仕事への誇りを感じました。

サイドメニューの「チャーシュー丼」も見逃せません。低温調理で仕上げられたチャーシューは驚くほど柔らかく、タレの甘辛さとご飯の相性も抜群。ラーメンと一緒に頼むことで満足度が一気に高まります。
他店とは一線を画す上品な一杯
沖縄では豚骨や二郎系など、力強いラーメンが主流の中、「中華そば いとの」はその真逆。 素材の旨味を丁寧に引き出した“淡麗系”という新しい方向性で、沖縄ラーメン界に新風を吹き込んでいます。 味・香り・空間、すべてにおいてバランスが取れた上質な一杯。 ラーメン好きだけでなく、女性客や年配の方にもおすすめできる名店です。
店舗情報
- 店名:中華そば いとの
- 住所:沖縄県沖縄市泡瀬1-3-23
- 営業時間:11:00〜15:00(スープがなくなり次第終了)土曜祝:10:30~16:00
- 定休日:日曜日
- 駐車場:あり(店舗前・共同駐車場)
- Instagram:@itono_noodles_awase_okinawa
- 食べログ:中華そば いとの(食べログ)
まとめ|上品さと職人の技が光る沖縄ラーメン
淡麗スープの繊細な味わいと、素材へのこだわりが感じられる「中華そば いとの」。 濃厚系も楽しめるため、あっさり派にもこってり派にもおすすめできるお店です。 沖縄で上品なラーメンを探している方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
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